泉州タオルをつくる

「泉州タオル 大阪タオル工業組合」の事業者をはじめ、泉州タオルづくりに携わる人々をシリーズで紹介します。
現場からの声を通じて、泉州タオルの歴史や技術、つくり手たちの想いやこだわりを伝えていきます。


新田タオル株式会社
新田康貴

独自の技術とノウハウで、
環境に負荷をかけないタオルづくりを実践する。

新田タオルは、製造工程で糊を使用しない「無糊タオル=ムコタオル」を開発し、一貫して生産を続けています。従来のタオルづくりでは、製織の際に綿糸の強度を上げ、滑りを良くするために、糊材や平滑材呼ばれるワックス蝋を付着浸透させる加工を施します。しかし、そのままでは吸水性や風合いを阻害してしまうので、最終工程で不純物を洗い流さなければなりません。これらが排水に混入してしまうわけです。もちろん、排水による水質の汚染度は、各自治体で定められた基準値以下で河川に放流されていますが、汚水であることには違いがありません。排水に含まれる糊等による栄養過多で河川や海の自然環境バランスが崩れるという危険性も孕んでいます。それならば、最初から糊材や平滑材を使用せずに製織を行えば、排水に混入することもない。また、糊材や平滑材加工の工程を省くために、その際の電気や熱エネルギー使用を大幅にカットし、CO2の削減にも寄与することができるのです。

他では決して真似のできないムコタオルは、数々の試行錯誤を繰り返し、独自の技術とノウハウを積み上げて実現することができました。それは、「安心・安全な商品づくり」をとことんまで追求していくという新田タオルの社風が根底にあったから。発売から20年以上、多くの方々に使っていただき、生産を継続していけるのは、自分たちの暮らしを快適で豊かにしていこうとされる方々はもちろん、自然環境への配慮を考え、購買を通じて環境保全に対する参加意識の高い人たちに支えられていると実感しています。

私自身のミッションは、ムコタオルの独自性をもっと広く周知していただくと同時に、新田タオルをさらに進化させていくこと。その一歩として、オーガニックコットン100%使用による「生タオル」を開発し、クラウドファンディングによる事業展開をスタートさせました。多くの方々に出資していただき、目標額を達成することができました。みなさまには、たいへん感謝しております。これを機に、もっと新しいものづくりにチャレンジし、泉州タオルのさらなる発展に貢献していきたいと考えています。